唇にルビー

見上げた空に赤い星
あたたかい命の
明滅に似ている

腹の奥で燃えているのは
遠い宇宙のなごり

終わりゆく世界に
傷あるものの歌は
やたら煌々と聴こえる

やり過ごすには
あまりに切ない
その小さな音さえ
忘れられない

生まれるより昔
幾億の明日
大きらいの後味
噛みしめて生きるよ